はじめに

 日本国内で発生する廃タイヤ(使用済みタイヤ)発生量は、2019年度で年間約100万トンにのぼり、不法投棄の状況も廃タイヤの代替え燃料需要の高まりを背景に全体的に減少傾向にありますが、周辺住民の生活環境上の支障が懸念されるものについての撤去が進んでいます。各都道府県において、不法投棄による環境破壊が問題となっており、各地方自治体は毎年莫大な費用をかけてこの処理に当たっています。その処理方法とは不法投棄された廃タイヤを集め、熱回収のための燃料として有効利用しておりますが、その際に二酸化炭素CO2排出を伴います。また、電気自動車の急速な普及の時代を迎えても廃棄タイヤの問題は増大の一途となっております。企業を取り巻く環境は、常に変化し続けています。中でも二酸化炭素CO2環境への取り組みは、世界中の企業にとって避けることのできない課題となっています。
当社が開発した超乾留熱分解油化装置は約20年の経験技術により、シンプルな構造で、A重油・鉄・炭化物を廃タイヤから取り出し再原材料として利用されております。また、循環型社会に向け、サーマルリカバリー(熱回収)だけではなく、より付加価値と生産性の高いケミカル・リサイクルへの取り組みを行っております。
当社の技術過程において二酸化炭素CO2や騒音・匂い等は出さず、市街地においても操業が可能な環境に優しい装置となっております。超乾留熱分解油化装置や油化ビジネスモデルの研究・開発を進め、多くの企業に導入していただき共に環境問題の解決へ歩んでいきたいと思います。

事業概要

 本事業は、日本政府が掲げている「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と言う目標達成に向け、また「低炭素・循環型社会への貢献」として、我が社が開発したGT超乾留熱分解油化装置 により廃タイヤ処理し、有効な資源として回収・再利用 (再資源化) を行います。 本装置は、超精密乾留熱分解工程から発生する炭化水素油を、冷却・凝縮させることにより重油を抽出し、一部は本装置の燃料として利用し、残りはA重油相当燃料として回収し有効利用します。また、乾留後分離されたスチールは再利用し、炭化物は原料としてカーボン・ブラックやバイオ炭を再製造し、再利用を図ることを事業の目的とします。
この事業の実施によって、自動車社会に生きる我々の生活環境の改善、さらには、社会全体の資源確保、環境保全に貢献できるものであることを確信して、事業の推進を計画するものです。


企業理念

 弊社の技術による廃タイヤの再資源化、環境保護を念頭に「再原材料」の創出と環境問題を解決する循環型リサイクル事業を提案し、世界に貢献できる企業となることを目指します。

廃タイヤリサイクルシステム
Greens Tire System

廃タイヤの不法投棄

この10年、廃タイヤの発生量は約100万トン前後を推移していて、不法投棄件数及び重量は約半減しました。それでも、認識されている範囲だけで毎年約3万トンが不法投棄され、その重量はおよそ300万本に値すると言われています。各地方自治体では、毎年莫大な費用をかけてこの処理に当たっていますが、残念ながらその処理方法とは、不法投棄された廃タイヤを集めて燃やし、結果として二酸化炭素を発生させているのが現状です。また、今後電気自動車の急速な普及の時代を迎えても、廃棄タイヤの問題が増大の一途となることは容易に想定され、課題解決の手段が模索され続けています。

社会を取り巻く環境は常に変化し続けていますが、カーボンマイナスへの取り組みは、ますます避けることのできない課題となっていると言えるでしょう。

参照 : 一般社団法人日本自動車タイヤ協会

廃タイヤを無駄なく資源化

廃タイヤをGT超乾留熱分解油化装置(グリーンズタイヤシステム)により処理し、処理工程から発生する残渣を、有効な資源として回収・再利用(ケミカル・リサイクル)することを可能とします。本装置は、加熱分解工程から発生する炭化水素油を、冷却・凝縮させることにより重油を抽出し、一部は本装置のバイオマス燃料として利用するほか、残りもバイオマス燃料として回収し有効利用します。また、乾留後分離されたタイヤスチールは再利用が可能なほか、炭化物は原料として活性炭やカーボン・ブラックを製造し、再利用を図ることができます。

超乾留熱分解油化装置は、密閉式のカートリッジ容器内に廃タイヤを投入して、外部バーナーから過熱(約300~400℃)した際、タイヤが加熱分解して発生するガスを冷却・凝縮させることによって油として回収できるほか、さらに、乾留後分離された炭化物をカーボンブラックや活性炭の原料として回収することができます。
廃タイヤ1トンから採れる資源
再生油 約 400~500 リットル
炭化物
(カーボンブラック)
約 300 kg
鉄・スチール 約 100 kg
再生油の性状
廃タイヤを乾留熱分解して生成される油の性状は日本重油規格1種2号を満たしています。

リサイクルカーボンブラック
廃タイヤを乾留熱分解した後の炭化物の残渣成分は、有害物質に関しては、EUのRoHS指令6項目の、鉛・水素・カドミウム・六価クロムについていずれも規制値をクリアしています。グリーンズタイヤは、残渣としての炭化物(リサイクルカーボンブラック)を再生原料リサイクルカーボンブラックとして各企業様と共同製品開発し市場に提供していきます。

環境に配慮したシステム
グリーンズタイヤシステムは、約20年の研究開発により、シンプルな構造で重油・鉄・炭化物を廃タイヤから取り出し、再生エネルギー源として利用することができます。また、バイオマス燃料の利用により温室効果ガスの排出削減に寄与できるほか、このようなプラントの弊害としてありがちな騒音・匂い等の心配もなく、市街地においても操業が可能な環境に優しい装置となっています。

  • • 密閉構造のため、処理物のガスは外気に触れることがないので、臭気は発生しません
  • • 処理物はガス化された後、冷却され液化するので、余剰ガスは温水器の燃焼室で完全燃焼され煙の発生はありません
  • • プラント内冷却水は、循環再利用するので、施設から外部への排水の放流はありません


GT超乾留熱分解油化装置

 GT超乾留熱分解油化装置は、石油系の素材で作られた廃棄物を「熱分解」し、 ガス化した後、そのガスを冷却することで、油にもどすことができる装置です。そのガスの状態の時に触媒の作用で重質油に分けてA重油相当燃料を製造することができます。
タイヤは製造に、ゴムと石油製品等の素材を使用しています。その為、GT超乾留熱分解油化装置を使用し、廃タイヤを「超精密熱分解」するとバイオマス油・金属(鉄線等)、ゴムの炭化物になります。


製品保証値について

※廃タイヤ1トンからバイオマス油(A重油相当)約40%~50%(≒400~500リットル)抽出が出来ます。
 生成した回収油については、JISの定める重油の分類(1種)規格に相当する燃料油として使用が可能です。
※廃タイヤ1トンから炭化物(カーボンブラック)約30%(≒300kg)と鉄線等約15%(≒150kg)が残渣として抽出します。

会社案内

商 号 株式会社グリーンズタイヤ・ジャパン
本社所在地 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階
役 員 代表取締役 根田 和彦
創 業 平成15年4月
設 立 令和3年10月
資本金 1億9千300万円
電話番号 03-6804-7431
事業内容
  • 再資源化プラント装置の開発・超乾留熱分解油化装置製造及び国内・輸出販売事業
  • 環境事業、環境コンテンツ販売、資源環境プラントの輸入販売事業
  • 温室効果ガス排出権の売買及びその仲介
  • バイオマスを利用した発電プラント開発及び販売事業
  • 電気事業法に基づく小売電気事業
  • 産業廃棄物の収集、運搬及び処理業


沿革

福岡県筑後において、約20年の年月を費やした廃タイヤ用の超乾留熱分解油化装置の技術改良を重ね、新たな超乾留熱分解油化装置として廃タイヤ用からの再生油の抽出量の安定性能を確立いたしました。